フレッツ光関連の設定について(ドコモ光、ひかり電話、IPoE/IPv4 over IPv6とPPPoEの併用など)

概要

最近、ドコモ光のプロバイダを変更するにあたってかなり色々調べたので、知ったことをまとめておきます。一部、調べ切れていなかったり用語が不正確だったりするかもしれませんがご容赦ください。訂正や質問などはお気軽にコメントいただければありがたいです。

ドコモ光と光コラボについて

光コラボ」というのは、NTT東日本/西日本が提供する「フレッツ光」の設備を各プロバイダが借りて提供している光回線サービスのことです。「コラボ光」という場合もあります。「光コラボ」の例としては「GMOとくとくBB光」「ドコモ光」「SoftBank光」「AsahiNet」などなどたくさんあります。しかし、このうちドコモ光(だけ?)は特殊で、「ドコモ光」の契約に際して、20個くらいある「ドコモ光に対応したプロバイダ」の中から一つを選ぶ必要があります。「ドコモ光」単体だけではインターネットは使えないということです(「ドコモ光」単独プランというのもありますが、これは上記の20個くらいのプロバイダに含まれていないプロバイダでどうしてもドコモ光を使いたいときなどに利用されるもので、いずれにしろ「ドコモ光」だけではインターネットは使えないということになります)。最新の一覧はこれかなと思います。

さらに、この20個くらいの「ドコモ光に対応したプロバイダ」というのは、大半(全部?)が、(ドコモ光とは無関係の)光コラボを提供する事業者でもあります。先ほど挙げたGMOとくとくBB、AsahiNet、その他にはhi-ho、@niftyBiglobeなどがその例です。つまり、ひとくちに「GMOとくとくBBを使う」といっても、光コラボとしてのGMOとくとくBBなのか、ドコモ光対応プロバイダとしてのGMOとくとくBBなのか、という曖昧さが残っているということです。注意しましょう。

「光コラボ」は、どれを選ぶかによって基本料金や割引制度などは様々に異なります。一方、「ドコモ光」の各プロバイダは、「タイプA」「タイプB」という2種類の料金制度のどちらかを採用することになっており、プロバイダ独自の制度が入り込む余地はあまり大きくありません。回線のスペックにそこまで強いこだわりのない一般のユーザーは月額料金が安いタイプAのプロバイダから適当なものを選ぶという場合が多いでしょう。むしろ、「ドコモ光」自体の、ドコモのスマホ料金とのセット割などが、他の光コラボと差別化する重要なポイントになっています。

OCNインターネットについて

「OCNインターネット」というのは、NTTドコモが提供する「ドコモ光対応のプロバイダ」の一つです。「ドコモ光」に対応したプロバイダとしてこれまたドコモが提供するプロバイダがあるというのは変な感じですが、そういうものらしいです。

この「OCNインターネット」は、2023年7月から提供されているもので、前身は「NTTレゾナント」が運営する「OCN」でした(現在はNTTドコモに引き継がれてサービスは継続中だが新規受付は6月いっぱいで終了)。「OCN」は、「ドコモ光」対応プロバイダ(「OCN for ドコモ光」)であると共に独自の光コラボ(「OCN光」)も提供していましたが、「OCNインターネット」はドコモ光対応プロバイダとしてのみの提供で、独自の光コラボの提供はないようです。

またこの2023年6月末のタイミングに伴い、同じくNTTドコモやNTT系会社が運営するドコモ光向けプロバイダである「ドコモnet」と「ぷららplala)」も新規受付を終了しました。このうち「ドコモnet」は従来からドコモ光向けプロバイダとしての提供のみ(=OCNインターネットと似た感じ)だったので(新規受付は)完全終了となりますが、「ぷらら」は独自の光コラボ(「ぷらら光」)も提供しており、こちらは現在も引き続き新規契約を受け付けているようです。

10ギガ

自分はあまり詳しくないので扱いませんが、最近は最大10Gbps出るというサービスもドコモ光含む各光コラボから提供されているようです。遅延が改善するかもわからないのにスループット(一定時間に通信できる量)だけそんなに高くして何か意味があるんでしょうか…?

home 5Gなどのホームルーターについて

これも本筋とは関係ないのですが、光回線を引かなくてもよい高速通信サービスとして普及してきているのがホームルーターです。スループットは高く、通信制限も事実上ほとんどないところが多そうですが、ping値がやや高い(遅延が大きい)のでオンラインゲームにはそれほど向かないという点には注意が必要です。光回線が引かれていない家を数か月間だけ使うとかでなければ光回線のほうがいいのではないでしょうか。

ひかり電話について

ひかり電話」とはNTT東西が提供する光電話のサービスの名称です。IP電話と同じ技術を使用していて、月額料金は比較的安いものの、固定電話と同じく市外局番から始まる番号が使えるようになっています。

各種光コラボも、このNTT東西の「ひかり電話」の設備を借りて光電話サービスを提供しており、「ドコモ光電話」「GMOひかり電話」などのプロバイダによる名称がつけられています。月額500円ほどの有料オプションとなっています。

NTT東のひかり電話のタイプ1/タイプ2について

NTT東日本が(直接的に、あるいは光コラボのプロバイダを通じて間接的に)提供するひかり電話の契約には、技術的には「タイプ1」「タイプ2」という2種類があります。このタイプ1というのはNTT東日本が以前提供していた「Bフレッツ」に由来するもので、西日本にはBフレッツはなかったためタイプの区別はないようです。

回線IDが"COP"から始まるとタイプ1の可能性があります。回線IDが"CAF"から始まる場合はタイプ2です。(COPから始まってもタイプ2である場合もあるようです。【祝】v6プラス開通!【祝】 | 乗らずに見送って。など。)

「v6プラス」の手続きをしたい (お客さまIDが「COP」で始まり、2014 年 9 月以前にひかり電話の契約をしている場合) | 会員サポート | So-net

IPv6接続機能 (IPv4 over IPv6接続) | 「IPv6接続機能」のご案内 | オプション | 各種サービス | プロバイダ・インターネット接続は ASAHIネット

この辺を見ると、2014年以前くらいの古い契約だとタイプ1である可能性が高いということになりそうです。

以後で説明するサービスの中には、ひかり電話がタイプ2でないと利用できないものがいくつかあります(逆はありません)。そこで、場合によってはタイプ2への変更手続きが必要になってきます。なお、タイプ1が音質優先であるとの情報も1件だけありましたが、電話としてのサービス内容は変わらないと書いてあるサイトが大半であり、本当かどうかは疑問です。

タイプ2への変更には基本的に料金はかかりません。回線IDも変更されません。必要な手続きは契約の形態によって異なり、NTT東日本と直接契約している場合は、0120-116116に電話するとタイプの確認および変更ができます。一方、光コラボを通じて間接的にひかり電話を使っている場合は、各プロバイダを通じて変更の手続き・依頼をすることになると思います。ドコモならドコモの携帯から151に電話すると良さそうです。しかしこのパターンに関しては情報が比較的少ないです。

詳しくは後述しますが、自分のケースではひかり電話の契約が「タイプ1」になっており、「タイプ2」への変更が実質的に必要となるサービスをドコモ光を通じて申し込んだことに応じて、ドコモ光側がNTT東日本に対してタイプ2への変更を依頼するという形になったようです。

なお、タイプ2から1に変更できるかは不明です(しようと思う人はいないでしょう)。

光回線ではなく電話関係ですが、タイプ1とタイプ2で違いがありそうな内容について解説した記事があったので一応載せておきます。「マイグレーション回線」の思わぬ落とし穴とは!?ビジネスホンを入れ替え導入する時に確認しておくべきこととは? | ビジネスホンの「ビ」

ホームゲートウェイ(HGW)とはなにか

ホームゲートウェイとは、フレッツ光系の回線の契約に伴ってレンタルすることができるNTT提供のルーターのことで、市販はされていません。しばしばHGWと略されます(当記事でもそうします)。型番は「PR-500KI」のような感じで、最初の2文字が機種タイプの分類(後述の一体型/単体型など)、次が世代を表す数字(数字が大きいほうが新しい)、最後の2文字が製造メーカー(KI…沖電気、MI…三菱電機、NE…NEC日本電気)を表します。数字のところが500だったらまとめて500番台などと(少なくともこの記事では)呼びます。

ひかり電話に対応しているのが大きな特徴で、ひかり電話(あるいは一部のオプションサービス)を契約すれば無料でレンタルできます。そうでない場合も月額300円ほどで借りられるようです。また無線LANWi-Fi)機能は別途月額料金がかかり、性能も良くはないので、必要なら自前でWi-Fiルーターを買ったほうがいいでしょう。

ひかり電話ユーザーの多くにとってはコスト的に有難い存在である一方、機能・操作が制限されている、必ずしも性能が良くない、などの理由で悩みの種になることもあります。

ONU/モデム部分の配線の形態

フレッツ光の配線にはいくつかの形態があり、建物の構造や選択するプランなどにより変わります。しかし、全体に共通して言えるのは完全にプロバイダ側しか手が出せない部分ユーザー側で変えられる部分というのがあり、その境界にはLAN(Ethernet)ポートがあるということです。一応、例外もあるのですがそれについては後述します。で、この「完全にプロバイダ側しか手が出せない部分」を構成する主な部品がONUあるいはモデムです。

配線の形態は大まかに以下のように分類できます。参考までに、接続設定|お客様サポート|インターネット|ソフトバンクなどにも色々な配線図があります。

1. LAN配線方式

この場合最も単純で、家の壁が境界部分であり、壁から直接LANポートが出ています。モデムやONUにあたるものは部屋の外にあり、マンションの管理組合を通さないと手が出せないという感じです。それ以上の分類に関しては詳しくないので省略します。

2. 光配線方式

この場合、壁から光ファイバーケーブルが出ていて、それがONUによりLANポートに変換されます。ここが境界部分となります。ただし、HGWを使っている場合は、ONU一体型の機種(PR-xxx系)がレンタルされていることがあります(一体型でないものは単体型などと呼ばれます)。この機種は内部で物理的にONU部分とルーター部分に分かれており、それを隔てるLANポートはHGWの背面のUNIと書かれた部分に格納されていて、ルーター側からつながっているHGW内部のLANケーブルを外すとポートが使えるようになります。ここが境界部分です。つまり一体型といいつつ必要に応じて分断して使えるということです。この分断操作を行うことは俗に「UNI出し」と呼ばれています。

また、最近のONU一体型の機種だと、「小型ONU」という装置が使われているものがあり、これはLANポートとは異なる形状のポートでONU部分とルーター部分が接続されているため、「UNI出しをすることができません。これが先ほどの「例外」です。

もし、ひかり電話有りでUNIポートを使いたい場合は、最初にひかり電話契約無しで光コラボ/フレッツ光などを契約してONU単体を送付してもらい(←これは必ずLANポートが付いている)、後からひかり電話を契約することで確実に単体型のHGWをレンタルしてもらうという方法があるようです(自宅ラックはCOMPAQ9122 on X: "ついでに… なぜヒトは、まずはじめに「ひかり電話なし」で回線を契約して単体ONUを手に入れてからHGW追加(ひかり電話追加契約)をしないのか。" / Xなど)。

また、YAMAHAなどの市販ルーターでは小型ONUのポート形状に対応しているものがあり、小型ONUには電源が不要で配線がシンプルになるなどのメリットもあることから、逆にレンタル時に小型ONU機種を希望したという例(ドコモ光で小型ONUに交換してもらう方法 | サーバーストーリーなど)もありました。

3. VDSL方式

光配線方式と大体同じですが、壁から光ファイバーではなく電話線が出ていて、それがVDSLモデムによりLANポートに変換されます。ここが境界となります。規格上、速度上限は100MB/sになります。

光配線方式と同じく、HGWを使っている場合は、VDSLモデム一体型の機種(RV-xxx)がレンタルされていることがあります。しかしこの場合、先ほどのUNIにあたるポートは無さそうです。というのも、先ほどの「UNI出し」が公式に説明されている「ひかり電話ルーター」のレンタル契約を解約せずに市販のひかり電話対応ルーターを利用する方法について|ひかり電話|フレッツ公式|NTT東日本では、VDSL一体型だった場合はVDSLモデムに変える必要があると説明されているからです。この理由については完全な推測ですが、VDSLは元が電話線なので、そこからひかり電話を出すためには、一旦LANケーブル(UNI)に変換してからまたルーター部分で電話線に戻すような非効率なことはせず、電話線の段階で分岐させている、とかそういう感じじゃないかなと思います。

VDSLに関しては光配線方式に比べると情報が少なく調べるのが難しいです。速度にこだわるような上級ユーザーはそもそもVDSL方式の家を選ばないからでしょうか?あるいは単純に古いから?とはいえ、適切にプロバイダを選んで適切に設定すれば下り実測70Mbpsくらいは出るわけですから、実用上は十分です(個人の感想です)。

4. その他

VDSLの祖先みたいなADSL方式とかもあるらしいですがよくわかりません。

フレッツ・ジョイントとは

フレッツ・ジョイントというのは、光回線を通じてプロバイダ側からユーザー側にソフトウェアを配信することができるシステムで、メーカーが家電製品などへのソフトウェア配信に使うこともできますが、HGWに機能を配信することもでき、当記事に関係するのは後者のほうです。フレッツ・ジョイントの利用は(ユーザー側にとっては)無料で、申し込みも通常不要で自動で有効になるパターンが多そうですが、契約のしかた・タイミングによっては明示的に要請が必要になる可能性がありそうです。また、フレッツ・ジョイントの利用にはひかり電話がタイプ2である必要があります。

フレッツ・ジョイントでHGWに配信されたソフトウェアについて確認するにはhttp://ntt.setup:8888/t/あるいはhttp://192.168.1.1:8888/t/(192.168.1.1の部分を自分で変更している人はそちらに従う)にアクセスします。

IPv6/IPoE接続とは

フレッツ光におけるインターネットへの接続方式にはPPPoE方式とIPoE方式の2つがあり、このうちPPPoE方式は利用者の多い夜間などは認証を行うサーバーが混雑して速度が低下しやすいとされていることから、近年はIPoE方式も普及してきています(ただし、環境によってはPPPoEのほうが速度が出ることもあるようです)。フレッツ光と完全に独立の設備であるauひかりなどにはIPoE/PPPoEの概念はないらしいです。(でもNURO光にはある?)

このIPoEというのは新しいプロトコルであるIPv6にしか対応しておらず、そのままでは従来のIPv4でしか提供されていないほとんどのサイト・サービスは使えません(例えばGoogleは見られるがYahooは見られない)。しかし、IPv4 over IPv6という方式によりIPv4IPv6のように見せかけることでIPoE上でもIPv4を使うことができるようになります。つまり全てのサイトをIPoEで見ることができるようになります。仕組みについては詳しいサイトが多くあるのでそちらを参照してください。ちなみに「IPv4 over IPv6」は長いので、この記事ではその意味で「IPoE」を使うことが多くなるかもしれません。

ただし、IPv4 over IPv6には従来のPPPoEによるIPv4とは違ってポートの開放が自由にできないという制限があります。これに伴ってVPNが使えない、特定のポートを使うゲームやデバイスが使えない、といった不便が生じます。厳密にはそれ以外にも制限があった気もしますが忘れました。

IPv4 over IPv6の中にはいくつか方式のようなものがあり、それによって制限の内容は異なります。メジャーな方式はMAP-eDS-Liteというものです。さらにMAP-eの中には「v6プラス」「OCNバーチャルコネクト」「IPv6オプション」の3種類があり、DS-Liteの中には「Transix」「クロスパス」「v6コネクト」の3種類があります。さらにこのどちらにも分類されない「IPv6高速ハイブリッド IPv6 IPoE + IPv4」というものソフトバンク系のサービスにあるようです。比較的有名なものを太字にしてあります。また、おそらく廃止に向かっているようで情報が少なくよくわかっていませんが「OCN v6アルファ」もこの一種かもしれません。

MAP-e系のものは一部のポートの開放が可能ですが、DS-Lite不可です。また例えばOCNバーチャルコネクトのほうがv6プラスよりも開放できるポートが多いなど、色々と細かい違いがあります。詳しくは以下をご参照ください。

IPv6(IPoE)のまとめ、乱立する「v6プラス」「Transix」「OCNバーチャルコネクト」を比較する | ネット回線のマニュアル

フレッツ光の「IPv4 over IPv6」MAP-eとDS-Liteは何が違う? | Wi-Fiマニュアル

使えるポートが少ないとNATのセッションによりポートが枯渇して不安定化する?という話(Ubuntu / Debian でIPv4 over IPv6 (OCNバーチャルコネクト, v6プラス), systemdによる設定, ルーター化, VPNおよび自宅サーバー可能な固定グローバルIPv4アドレス #RaspberryPi - Qiita)も一応あるようですが、おそらく通常はあまり問題にならないものと思われます(上記で引用されている記事や、QUICとNATで確かめたいと思うこと (MAP-EでのNATとNAT64) #nat - Qiitaなどを読んだ感じ、ルーター側がちゃんとしていれば大丈夫?)。

どの方式を採用するかはプロバイダによります。例としてドコモ光対応のプロバイダに関する一覧を載せておきます。

https://www.docomo.ne.jp/content/dam/corp/jp/ja/binary/pdf/hikari/support/router_security/ipv4_over_ipv6.pdf

ちなみに、IPv6はPPPoEでも使うことができますが、これについては自分が特に必要性を感じなかったので調べておらず、記事でも触れません。

ルーターのIPoE対応

IPv4 over IPv6を利用するには、対応したルーターを使う必要があります。最近(ここ5年以内くらい)のルーターであればメジャーな方式(v6プラス、OCNバーチャルコネクト、transixなど)には対応している可能性が高いのではないかと思いますが、ちゃんと書いてあるはずなので調べましょう。「IPv6対応」「IPv6パススルー(ブリッジ)対応」とだけ書いてある場合は対応していない可能性もあるので、「IPv4 over IPv6」あるいは「v6プラス」などのサービス名をキーワードと考えましょう。

IPv4 over IPv6の利用時には、セキュリティ対策として、IPv6に関するオプションのところで「NDプロキシ」を選ぶといいようです(正確には、NDプロキシ自体はセキュリティ機能ではないが、低価格帯のルーターだとセキュリティ機能と抱き合わせになっていることが多く、逆に高機能なルーターだと別でセキュリティを設定しなければいけないこともあるらしいので注意)。

また、ルーターによっては、ポート開放の機能自体はあるのにIPv4 over IPv6だとポート開放できないとか、v6プラスだとできるのにOCNバーチャルコネクトだとできないとか、そういう場合もあるようです(例:V6プラスのポート開放 - いおりのパソコン技術メモ)。そこまで詳細にメーカーサイトでちゃんと書かれているかどうかわからないので、心配ならレビューとかで頑張って調べましょう。

HGWのIPoE対応

HGWにおいては型番が300以上のものはIPoEに対応していますが、対応するためのソフトウェアはフレッツ・ジョイントで配信されます(従ってひかり電話がタイプ1だと使えるようになりません)。例えば以下はHGW含む各ルーターのOCNバーチャルコネクトのサポート状況ですが、HGWのところにはフレッツ・ジョイントに関する注意書きがあります。https://www.ntt.com/content/dam/nttcom/hq/jp/business/services/network/internet-connect/ocn-business/option/v-access-ipoe/pdf/bocn_vc_router.pdf

IPv4 over IPv6サービスの中でも、MAP-E系は300以上から対応していますが、DS-Lite系は500番台以上が必要です。

フレッツ・ジョイントはプロバイダがNTT東西に利用料を支払ってソフトを配信するシステムであり、プロバイダによってはそもそもフレッツ・ジョイントを利用しておらずHGWへの配信を行っていない場合もあるようなのでそこも注意が必要です(例: PR-500MIなどDS-lite対応HGWでIPv4 over IPv6接続できない[IPoE][transix][フレッツ・ジョイント] | PCヨーナル)。この場合は市販ルーターを使うことになります。

配信のタイミングなどについては次節でも詳しく書きますが、フレッツ・ジョイントでの配信が行われるとHGWはIPoE接続専用の状態に変わります。元に戻すにはhttp://ntt.setup:8888/t/から「無効」あるいは「一時停止」など(IPv4 over IPv6の各サービスによって異なる)を選択すればいいのですが、ソフトウェアのバージョンが古いなどでできない場合もあります。そのときは、プロバイダ側に連絡して配信を停止してもらい、その後HGWを初期化してから再接続することになります。連絡しなくても、初期化してからWANにつなぐ前にPPPoE情報を削除すれば配信されなくなるという情報もありますが、その状態でも配信されるという情報もあり、自分のところでも軽く試した感じでは一瞬で配信が来てしまいました。

具体的な設定画面の変化としては、まずPPPoEの設定(ID/パスワードなど)がグレーアウトして利用不可になり、さらに「IPv4パケットフィルタ設定」、「静的IPマスカレード設定」(←ポート開放に使う)、「静的NAT設定」あたりも無くなるようです。

以下に色々な報告例があります。

OCNバーチャルコネクトをWiFiルーターからホームゲートウェイに変更 その2 :キャドキール日記

ホームゲートウェイ v6Neo接続設定方法|インターネット プロバイダならオープンサーキット

低速なBフレッツを高速なv6プラスに | メモグ

Diary: OCNでIPv4 over IPv6 (IPoE)が利用できるか調べる

ホームゲートウェイでIPoE/IPv4 over IPv6接続 それでもWiFiルーターは必要 | つながるわー

ポート開放に関する設定がなくなると述べましたが、そのかわり前述のhttp://ntt.setup:8888/t/からポート開放ができるようになります。ただし、細かい注意点もあり、例えば先ほどのV6プラスのポート開放 - いおりのパソコン技術メモでは、「HGWの型番が400番台以降かつフレッツ・ジョイントでソフトウェアのバージョン4.0.0が配信されている場合に限りOCNバーチャルコネクトでのポート開放が可能」(しかしv6プラスのポート開放はそうじゃなかったのにできた)と報告されています(「無効」設定もこの4.0.0から導入されたと思われます)。PR-300HIでポート開放を行おうとしています。 - 数ヶ... - Yahoo!知恵袋にも同様の説明があります。また、ポート開放機能自体もやや自由度が低い感じで、開放するポート番号を範囲指定できず、設定項目は上限64個なのでポートは64個までしか開放できません。ただ、HGWに限らず、Aterm WX1500HPでも同じ状況でした。Buffalo WSR-1166DHPL2では、画面は範囲指定できるような感じになっていますが、実際に範囲指定してみると(利用可能ポート範囲内であっても)動きませんでした。(参考画像)

 

このへんの制限を回避するには他のルーターとかLinuxを使う必要がありそうです。また、MAP-Eのサービスの性質上当然ですが、UDPまたはTCPにしかポート開放は使えません。

セキュリティ機能に関しても注意が必要です。IPoE関連が配信されてきた初期状態だと、「詳細設定」の「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」が「標準」になっていて、これだと他のフレッツ光の契約者からのIPv6通信を遮断してくれません。そこで、これを「高度」に変更することが推奨されます(おそらく「NDプロキシ」と似たような効果がある)(参考: フレッツv6オプションのパケットフィルタ設定 | masao-Tec-blogなど)。さらに、ひかり電話の契約がない、あるいはタイプ1だったりするとこの機能が完全に無効化されているという報告があります(V6プラスでホームゲートウェイ(HGW)のIPv6パケットフィルタが機能しない件|たらかた など)。実際、自分の環境でも、新HGWをVDSLモデム直下ではなくPPPoEパススルー経由で旧HGWの内側につないでいたときはひかり電話契約がない扱いになるようで、「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」の項目が出現しませんでした。

IPoEが使えるようになるまで(配信のタイミングなど)

各種IPv4 over IPv6を利用するためのスペック的な「必要条件」についてはここまでで述べましたが、「十分条件」、つまり実際に使えるようになるまでの過程については情報が錯綜しており、自分自身よくわかっていないところが多いです。フレッツ・ジョイントでの配信が始まった2021年頃の情報だと配信まで数日かかるとか一ヶ月かかるような情報もありますが、近年では環境さえ整えば30分以内で届くという話もあります。

また、v6プラス限定の話かもしれませんが、フレッツ・ジョイント以外(HGW以外のルーターを使う場合)でも、プロバイダからの配信のような手続きが存在する(必要である)かのような情報もあります(v6プラスがつながらないときの原因と解決方法 これはわかりやすい)。HGWを使用する場合と市販ルーターを使用する場合とでプロバイダ側で必要な操作が違うというのは間違いなさそうです。以前のniftyだとこの2つに対応してプラン名が分かれていたようです(「v6プラス」と「IPv6接続オプション」の解約・再申込は必要か(@niftyの場合) | Electronic Information Research LaboratoryNifty-V6プラス変更について(IPv6接続オプションではないです) - パソコン修理・データ救出COMSASなど)。ネスクの申し込み欄でもHGWを使うかどうか選択する欄があります。HGWでv6プラスを使っていたがひかり電話の解約に伴って市販ルーターに変更する、などの場合はプロバイダに連絡しないとIPv4 over IPv6が使えなくなるといったこともあるようです(価格.com - 『v6プラスは光電話を契約していないと使えないのですか?』 NEC Aterm WG2600HS2 PA-WG2600HS2 のクチコミ掲示板)。

また、過去に他のプロバイダで契約していたIPv4 over IPv6の情報が残っていて接続できないというケースもあるようです。いずれにしてもユーザー側でわかることが少なすぎるので遠慮せずプロバイダ側に連絡しましょう。

v6プラスとひかり電話タイプ1

ひかり電話タイプ1だとフレッツ・ジョイントが使えないのでHGWでのIPoE接続ができないと述べましたが、HGWを使わなければIPoE (IPv4 over IPv6)自体の利用は可能です。ただし、v6プラスに関しては、フレッツ・ジョイントとは関係なく(=HGWに限らず全てのルーターで)、ひかり電話タイプ1だと使えないという話がありました。OCNバーチャルコネクトは大丈夫なようで、実際に自分のところではおそらくタイプ1になっていたタイミング(「おそらく」の理由については後述)でも使えていました。

ヤン on X: "v6 プラスはひかり電話タイプ2 (/56 で割り当てられる方)しか対応してないのはよく知られているんだけど,OCNバーチャルコネクトの方はフレッツ・ジョイントを必要としないならタイプ1(/64 で割り当てられる方)でも行けるんだよね メリットは UNI 出しが楽なぐらい" / X

HGWの交換

1ギガ→10ギガへのプラン変更など、正当な理由があれば、HGWを無償で交換してもらえます。他の理由(小型ONUにしたい、など)だと有償になることもあるようです。

故障扱いだと同じ機種に交換されることもあるようなので、新機能のための交換の場合は、故障担当の113番ではなく、ドコモ光サービスセンターの15715に電話すると良さそうです(※ドコモの携帯電話でないとこれらの番号にはつながりません)。

自分の場合、IPv4 over IPv6サービスを使いたいからRT-200NEを交換したいという状況で、これは無償になりました。しかし、ポート開放したいから300番台を交換したいとか、transixを使いたいから400番台を交換したいとかだと通るのかどうかだんだん怪しくなってきそうです。NTT東よりは西のほうが通りやすいようです。

オペレーターによって対応も違うようで、自分と同じような理由にもかかわらず「壊れていないので交換はできない」「派遣手数料が必要」などと言われたというケースも見かけました。希望の対応が得られなさそうであれば日を改めてまた電話するのも手かもしれません。

「フレッツ・v6 オプション」について

フレッツ光でIPoE/IPv6を使用するには「フレッツ・v6オプション」というのを契約する必要があります。ただしこれは無料サービスであり、「フレッツ・v6オプション」を必要とするIPoE/IPv6関連のサービスを光コラボのプロバイダに対して申し込んだ場合はプロバイダが代行してフレッツ側に申し込んでくれることが多いようなので(サイトにちゃんと書いてあるはず)、少なくとも最近はユーザーが意識する必要はあまりなさそうです。

IPoEとPPPoEの併用: プロバイダ側の対応

最近の多くのプロバイダでは、IPoE (IPv4 over IPv6)を利用するのに追加料金などはかからず、Web申し込みなどで即日提供される場合が多そうです。ただしIPv4 over IPv6 (IPoE)の提供と同時にPPPoEの提供を停止するプロバイダも多く、そうすると任意ポート開放などのPPPoEの利点が失われてしまうことになります。

仕様上は両方を同時に提供することは可能であり、実際に同時に提供しているプロバイダもあります。ドコモ光に関してはNTT系が運用するプロバイダ(OCN、OCNインターネット、plala、ドコモnet)では併用が可能です。他にBiglobeも可能という情報があります。GMOとくとくBBなどは対応していないようです(ただし「サポート対象外になってもいいと言えば両方提供してくれる」という情報が複数ありました。元 バイク野郎のひとりごと: V6プラスルーターと PPPoE ルーターを併用するのコメント欄など)。ドコモ光以外の光コラボだとSo-net@niftyなどが対応しているという情報があります(@niftySo-netはドコモ光にも対応しているプロバイダですが、そちらでは併用はできないかもしれません)。

そもそもIPoEやPPPoEといった接続方式は一般利用者には馴染みのない用語であるため各プロバイダのサイトでも「IPoEとPPPoEが併用可能(or不可)」という形では言及されていないことが多いですが、不可の場合は「IPoE接続の開通が確認された時点でPPPoEの提供を停止します」のような注意書きがあるはずです。

例えばエディオンネットやhi-hoのIPv4 over IPv6サービスのページを見ると、PPPoEが使えなくなると書かれていることがわかります。また、ahamo光などは最初からIPoEのみで、「OCNバーチャルコネクトに対応したルーターがないとインターネットに接続できません」「PPPoE方式の提供はありません」と書かれています。

IPoEが標準提供されているOCNインターネットでは、IPv4 over IPv6のページには「IPoE接続オプションを利用する場合は、一部のオンラインゲームなどが利用できなくなる場合があります」的な注意書きがありますが、PPPoEが利用できないとは書かれていません。また、OCN IPv6インターネット接続|光回線 | 個人向けOCNお客さまサポートを見ると、IPv4 over IPv6について、「[提供中]の場合でも、対応端末以外を接続した場合は、IPv6がIPoE方式、IPv4はPPPoE方式になります。」との文言があるので、併用可能だと推測できます(実際可能でした)。

なお、以降の節は同一プロバイダでPPPoEとIPoEを併用することを想定して書いていますが、別プロバイダでIPoEとPPPoEをそれぞれ契約して併用する場合でも配線の仕方は同様かと思います。

PPPoEとIPoEの併用: 配線の基本

PPPoEとIPoEを併用するには利用者側でも多少の設定が必要です。基本的には、PPPoEに対応したルーターとIPoEに対応したルーターが1つずつ必要になります。ただしヤマハルーターなど高機能なものは1台で同時に両方に対応できるものもあるようです(筆者が全く詳しくないので他のサイトに譲ります)。

ONU(あるいはモデム)以下の配線の方法は、PPPoE IPoE併用ネットワークでv6プラスを利用しながらサーバー公開│NANDゲートにあるように、①両方のルーターを(ハブで分岐させるなどして)並列に配置する②IPoEルーターPPPoEパススルーに設定して、内側にPPPoEルーターを配置する③PPPoEルーターIPv6パススルーに設定して、内側にIPoEルーターを配置する、という3通りに大まかに分けられます。ちなみに○○パススルーと○○ブリッジは同義語です。どの方法を取ったとしてもIPv4 PPPoEとIPoE(IPv4 over IPv6)でそれぞれポートの開放が可能です(ルーターが非対応でなければ)。

また、いずれの方法であっても、2つのルーターLANポートどうしを接続して、2つのルーターをどちらも同じネットワーク(サブネット)に入れることで、ネットワーク内からは両方のルーターに接続できるようになります。LAN同士を接続しない場合は、PPPoEルーターの配下からはPPPoE、IPoEルーターの配下からはIPoEのみが使えるということになります。

例えば上記の②でLAN同士を接続する場合の配線は以下のようになります。

わかりやすい図はIPv4 over IPv6(IPoE)と IPv4(PPPoE)を併用可能なインターネット環境を整備する - Qiitaなど他のサイトにもあります。

この場合、DHCPは片方のルーターのみで有効にするのが良いでしょう。大体のケースでは、普段のインターネットはIPoEを使い、ポート公開などに使う一部のPCのみPPPoEを使うことになると思うので、IPoEルーターのみにDHCPを設定することが多いでしょう。LANで正しく接続されていれば、例えばWi-Fiルーターであるルーター1でDHCPが無効だとしても、ルーター1に無線で接続したときにはルーター2がDHCPでIPを割り当ててくれます。DHCP無効のほうのルーターに接続するときは手動でIPやデフォルトゲートウェイを設定します(他サイト参照)。ちなみに、IPアドレスの範囲が被らないように正しく設定されていれば、両方のルーターDHCPを設定しても問題はありません(場合によってIPoEになったりPPPoEになったりすることにはなります)。

①②③全てについて、上記でパススルーと書いていない場所は全てパススルーをoffにしましょう。これに加えてLAN同士を接続する場合は、PPPoEルーターIPv6機能自体を完全にoffにしたほうが良さそうです。下手するとループが発生してネットワークがダウンします。

②③に関しては、パススルーじゃない方のルーター(上記なら2)のWAN側とLAN側が同じネットワークにつながれているので特にループが発生しやすく、注意が必要です。Buffaloのルーターは初期設定のままだとWAN側とLAN側のMACアドレスが同じに設定されているので問題になるらしいです。WAN側を変えられるので変えましょう(参考: 疲労コンパイル: v6プラスとIPv4(PPPoE)を併用する(その1)など)。どこで読んだか忘れましたが、WAN側のデフォルト値に+1や+2したMACアドレスもLAN側のWi-Fi用などに使われている(設定画面見ればわかりますが)ので、-1した数値を入れておくのがいい(あるいは念の為もう少し減らしてもいい?)ようです。

また、ルーターによってはちゃんと設定していてもループして不安定になってしまうことがあるようです。たとえば自分のケースでは、上記②において、ルーター1にBuffaloのWSR-1166DHPL2、ルーター2にAterm WX1500HPを使って、さらにLAN側にブリッジモードでELECOMのWRC-1167FS-Bを接続していたのですが、この状態で新規にWRC-1167FS-Bに接続しようとするとつながらず、それと同時に上位のBuffaloも不安定になるという現象が起きました。PCから有線で接続した場合などは問題ありませんでした。また、ELECOMにつなぐ場合でもPCからだとうまく行く場合もありました。Buffaloはそのままで、ELECOMとAtermを入れ替えたらうまく動作するようになりました。その状態でさらにBuffaloとAtermを入れ替えても同じく大丈夫でした。また、最初の状態からELECOMはそのままで、BuffaloとAtermを入れ替えても大丈夫でした。従って、Atermが犯人なのではないかと思います。ちなみに、v6プラス:HGW環境でPPPoEを併用して全ポート解放を自由行う(ルータ併用編) : 駄文置場では、AtermとBuffaloについてはちゃんと設定してもループで不安定化してしまったようだという報告があります。Buffaloについてはこの方がMACアドレスの変更をしていなかったのだとすると自分の結果とも一致します(BuffaloのMACアドレスを初期設定のままやったら自分のところでも不安定化しました)。というわけで、PPPoEルーターとしてはAterm以外を使うことをお勧めします。余談ですがELECOMのこの機種は脆弱性があることが発表されており、アップデートもないので、少なくともWANに晒されるPPPoEルーターにはお勧めしません。

ちなみに、他サイトにはあまり載っていなかったので正当なのか若干不安がありますが、以下のようにルーター1のLAN側からスイッチングハブ(=L2スイッチ、ハブ、HUBなどとも書きます)で2本のケーブルを分岐させてルーター2のWAN・LANに接続してもループなどは起こらず問題なくつながるようです(各種確認でも、ルーター1のLANポートに直接繋ぐかHUBを使うかで動作に差が出ることはありませんでした)。

これはつまり、ルーター1とルーター2の間に2本の完全に独立したLANケーブルが無くてもよく、ルーター1とLANケーブルでつながっているところからはどこでもPPPoEルーターを生やせるということになるので、配線の自由度が増します。IPoEルーターは光コンセント/ONUの近くに置くしかありませんが、PPPoEルーターはそこから有線でつながっている好きな場所に置くことができます。一つ前の配線だとそうはいきません。

②に関して、ルーターによっては、IPoEルーターとしての使用時にPPPoEパススルーができないことがあるらしいので購入時には注意してください(IPoEとPPPoEを併用してみる|天文と気象とその他いろいろ楽天ひかり回線でIPoEとPPPoEを併用 | MYモノコトブログなど)。

PPPoEとIPoEの併用: パススルーのリスクなどについて

上記の③の配線は実はちょっと問題があります。

この場合、②のときの図においてIPoEとPPPoEが逆になり、PPPoEパススルーがIPv6パススルーに変わります。このルーター1のIPv6パススルーは、ルーター2がIPoEで接続するために不可欠なものです。しかし、文字通り全てのIPv6通信がルーター1を素通りできることになるので、LAN側にあるPCなどのIPv6アドレスがわかればインターネット側から誰でもそのPCにアクセスできてしまいます。もちろんファイアウォールなどがあれば簡単に攻撃はできませんが、リスクが上がることは確かです。従ってこの配線は避けた方がいいのではないかと思います。

一方で、PPPoEパススルーを使う②の方法は、状況は似ていますが、こちらは全部のIPv4通信を通すとかではなくてPPPoE通信だけを通すので、外側からアドレスを指定してLANの中にアクセスするとかは多分できません。なのでこちらは多分問題ありません。(あまり詳しく解説しているサイトがなく…)(IPv6パススルーが危ないかもというのは別のサイトにも書いてあります。疲労コンパイル: IPv6パススルーを許可した結果..PPPoE IPoE併用ネットワークでv6プラスを利用しながらサーバー公開│NANDゲートなど)。

①はパススルーする箇所がないのでこのような心配はありません。

ちなみに、PPPoEでの接続はルーターを介さず直接PCから行うこともできます。PPPoEを使いたいPCが一つしかない場合はそれもいいでしょう(PPPoEのセッション数は1とか2に制限されているので、複数あるならルーターにまとめるのがよい)。ただしこの場合はルーターによる防護がないのでIPv6パススルーのときと同様にファイアウォールなどによる対策が必要です。

また、ローカルルーターではなくPPPoEルーターやIPoEルーターとして設定するからには、各ルーターから見るとWAN側はインターネットなので、WAN側にある家の中のデバイスとは通信できない…かと思っていたのですが、IPv4では無理でもIPv6を使えばいけるという情報がありました(IIJmio ひかり: ひかり電話と IPv6(IPoE) + IPv4 over IPv6 (transix) を併用する)。IPv4にしか対応していないデバイスとかだとどうなのかわかりませんが、(IPv6対応の)ルーターで適宜設定すればできるのかもしれません。

例えばこれは③においてルーターのLAN同士をむすぶ線をなくしたものですが、これだとLAN2からLAN1にあるデバイスIPv4でアクセスすることはできなくなります。ちなみにこの設定だとLAN2側は何もパススルーしてくるものはないので安全です。

PPPoEとIPoEの併用: ひかり電話対応: HUBを使う場合

基本は上記のように割と自由にルーターを買ってきて配線すればいいのですが、ひかり電話HGWを使っている場合は注意が必要です。というのも、HGWよりWAN側の部分にはPPPoEやIPoEだけでなくひかり電話に関する通信も通っていて(HGWから電話線が伸びて家の電話機につながっていることからもわかる)、下手にいじるとそちらに干渉して電話が使えなくなってしまうからです。

上記①②③のうち、まず①に関してこの節で述べます。

①の場合、ONU(またはモデム)からHGWに伸びているLANケーブルの間(一体型ならUNIのところ)にハブを入れて分岐させることになるので、ひかり電話に干渉する可能性があります。これに関しては、普通に上手くいく/いったというような報告のほうがどちらかというと多いのですが、HGWと別のルーターとでIPv6通信に関する競合が発生して電話が使えなくなるという話もあり、緊急時の連絡手段でもある電話が使えないのはさすがに困るので自分はやりませんでした。以下に様々な報告を載せます(リプライツリーを読む必要があるものもあります)。

・できるという話

江添亮 on X: "@okada_k うまく動きました。なぜハブを使うことを思いつかなかったのだろう。" / X

Kanji Okada on X: "UNIのEthernetポートを(独立した)HUBに接続し、そのHUBからRTX810とレンタルルーターのWANポートへ接続し、レンタルルーターはひかり電話アダプタ専用として設定すれば、ひかり電話もRTX810によるインターネット接続も両立できる。とだけコッソリ書いておこう。" / X

ヤン on X: "図解できてないな…わかりにくい ひかり電話を使うためにひかり電話ルータを使ってるけどUNI出ししてる https://t.co/M1I7o3fF6r" / X

ヤン on X: "https://t.co/sLInv3b79X これの18ページ 適当に UNI 出ししたのをスイッチングハブで分岐するだけでネットワーク分離できる理由がわかったかもしれない" / X

こて on X: "@yuutosi_hiyuu うちの家だとひかり電話使ってるんだけど、これUNIポートから内部のルーター基板に繋がってる青色のLANケーブル抜いちゃうとひかり電話使えなくなるよね…?" / X

FUJINO Masaaki on X: "UNIを分離して、HUBからルータとひかり電話を振り分ける方法もあるけど、機器を増やしたくないので、まずは何をあらめて、何をもっとも利用したいか仕訳して、ネットワーク構成図を作成しないとあかん。" / X

こたまご🥚a.k.a. ひなたん on X: "@nomuken いけますよー 1. HGWでPPPoEパススルーにして,HGWの下にRTXを置く方法 2. HGWの中に入ってるONUから一旦ケーブルを出してきて,ハブでわけて,HGWとRTXを並列 につなぐ方法 1が一番らくかな" / X

こるで on X: "@WD_DRG ONU+ルーターなら、UNIポート→HUB→市販ルーターって分岐できるよ。HUB→レンタルルータって結線すればひかり電話も使えるし。" / X

Ryan on X: "@exp_noto ひかり電話使いたいんでUNI出しやめました もしかしてUNI出しで電話使えます?" / X

・できないという話

internet - Speaker Deck

くろがねッと☆ on X: "未だに体調は復活せず。ぐったりんぬ。 みかか系でDS-LiteがうまくいかないのはHGWが古くて対応してないからじゃないかな〜と思案中。 UTX100はDS-Lite対応してるらしいが、光でんわ使う場合はHGW経由が基本になるからなぁ。ONUからHUB経由で二股並列接続だとうまくいかないらしいし。" / X

きゅう(TOQ Kyusen-K) on X: "色々ググって、HGWをUNIから外してルーター直付けすれば市販ルーター使える的なの見たけど、それでは電話が使えなくなってしまうんよね。仕方なくHUBで元のHGWも分配して使うとかなると、今度はIPの取り合い起こして繋がらなくなるらしいので、もう諦めて二重ルーター覚悟するしかない。" / X

ArmGadge(あーむがじ) on X: "ひかり電話ルーターのONU部からルーター部の間にスイッチングハブかますと、ひかり電話が使えない。ただ、ルーター部の起動後に一度UNIポートからルーター部に直繋ぎして元に戻すと、何故か使えるようになる。一体どういう挙動なんだ?ひかり電話の仕様に詳しい人おせーて" / X

RYo on X: "@i10ug HGWがフレッツNGN内での識別に使われてるv4とv6両方持っていってつなぐなタイミング等で使えたり使えなかったりした記憶がある... HGWでPPPoEパススルーできるならONU→HGW→ルーターの方が良いとは思います。" / X

ZOOT NATIVEの接続が1日数回、または約3時間おきに切れてしまう場合の対策を教えてください。

使えたり使えなかったりするというのが一番怖いですよね…。

ひかり電話IPv4だけしか通らない状態にしてやると(中途半端にIPv6が使える状態よりもむしろ?)問題なく動くのでIPv6をフィルタしてやるとよいみたいな話もあります。これはかなり大胆なやり方なようです。

2017-02-19: フレッツ光ネクスト (ひかり電話あり) 回線において、ひかり電話と自前の設備を IPoE IPv6 的な意味で仲良くさせる

カフェイン未摂取 on X: "@Ra1nyJun 最後のおまけページみたいにIPv6のフィルタをかけた状態でHUBでHGWにひかり電話ルータも刺してやれば使えますね(たぶん)。その後、直接電話を挿すなら電話買わないといけないし、イーサネット経由でならIP電話もたぶん使えます(これだと設定しないといけないから面倒)" / X

かなぽん on X: "@ysks なんかそうらしいですね…。 ひかり電話自体はIPv4で動いているらしく、HGW上ではDHCPv6-PDがオフにできないので、L2スイッチにてIPv6通信を完全に切る方法があるらしいです🤔🤔 https://t.co/1JoKEQhBbm" / X

あるいは、YAMAHAの製品のようにそれ自体でひかり電話をサポートしている(=HGW(のルーター部分)の完全な代役になれる)ようなルーターを使うという方法もあり、コストはかかりますが明快な方法ではあります。

あとは、上記の手法の組み合わせ?的な感じかもしれませんが、ひかり電話対応のYAMAHAルーターIPv4だけしか通らないようにして利用する?的な記事もあります。

フレッツ光 ひかり電話を使いながら、IPoEのIPv6を自前ルータで直収する方法 - notokenの覚書

また、全然わかっていませんが、DHCPv6-PDを再委譲する?とかいう手法もあり、こちらのほうが技術的により高度ですが安定動作するっぽいです。

paina on X: "@pana_pana_kuma よろしければ,確認させてください。 何かのノードで NGN(網)から DHCPv6-PD で一度 /56 を貰う。そのプレフィックスの一部(/58 とか)を Vendor Specific Information を NGN のまねしてつけて HGW に DHCPv6-PD で投げる。 これで,HGW の電話機能を生かしたまま,HGW を通さず v6 通信できる?" / X

自分にとってはハイリスクローリターンな気がしたのでこれらの手法は試していませんが、併用うんぬん以前にひかり電話HGWとかいうよくわからん低性能っぽい機械を使わされているのが気に食わない(けど固定電話は欲しい)という人はこれらの手法を取ることになります。

PPPoEとIPoEの併用: ひかり電話対応: HGWのLAN側につなぐ場合

一方で、②③のように配線する場合、上位のルーターとしてひかり電話HGWを使うなら、ONU(orモデム)からHGWまでの配線には手を加えなくてすむので、ひかり電話に干渉することはありません。

HGWが300番台以上でMAP-e系を使う場合などは、HGWがIPoEルーターとして使えるので、②を採用できます。つまりHGWが上の図の「ルーター1」になり、その下に市販の「ルーター2」を付ければいいことになります。自分の環境も最終的にはこれになりました。

HGWが200番台の場合、400番台以下でDS-Lite系を使う場合、300番台でもMAP-Eでポートの開放をしたい場合、MAP-Eで64個を超えるポートを開放したい場合などは、(適宜、IPv4 over IPv6の無効化を設定あるいはプロバイダに配信停止を申請した上で)、PPPoEルーターとしてしか使えないので、③を採用せざるを得ず、IPv6パススルーのセキュリティが気になります。この場合は、HGWでPPPoEを無効化してPPPoEとIPv6どちらもパススルーに設定し、HGWの配下でさらに上記の①②③のような配線をするという方法が有効です。以下に①②の場合の図を載せます。これは他サイトにはあまり載っていない方法です。

まず①の場合です。このときはHGWをハブのように見立ててそのLAN部分にルーター1、ルーター2を並列にぶら下げてさらにLAN同士を結ぶという形になります。ただ、壁に1本しかLANケーブルが通っていないとなるとHGWとルーター1とルーター2を近くに配置せざるを得ず、ルーターが両方とも無線だった場合に無線能力が無駄になります。

次が②の場合です。この場合、HGWの直下にまずPPPoEパススルーのIPoEルーターをぶら下げて、その下にPPPoEのルーターをつなぐことになります。PPPoEを2箇所でパススルーしているなどちょっとトリッキーな3重ルーター構成ですが、ちゃんと動きます。前述の通りルーター1からHUBで分岐させてルーター2につなぐ方法も使えるので、ルーターを離して配置しやすいです。自分の環境でも1~2週間ほど、その配線で運用していました。ポートの開放もIPoE/PPPoE共に問題ありません。

もちろん、YAMAHAルーターなどがあれば、ルーターを2つ使わずとも、HGWの下に配置するだけでIPoE/PPPoEの併用ができるようになります。

なお、この節で述べたような配線を採用した場合は、やはりルーターの外側はインターネットなので、HGW(や、HGWのLANポートにつないだ他の機器)にLAN側からIPv4でアクセスすることはできなくなると思います。IPv6ならいけるのかなと思いますが自分では未確認です(前述のIIJmio ひかり: ひかり電話と IPv6(IPoE) + IPv4 over IPv6 (transix) を併用するも参照)。

ポート開放: 制限の回避などについて

IPv4 over IPv6では一部のポートしか開放できないため、特定のポートを使用するように決め打ち(ハードコード)されたゲームなどは動かない場合がありますが、ポート変換によって回避できる場合もあります。

まず、サーバー側(ポート開放する側)では、多くのルーターがポート番号の変更に対応しているので、それで対応できます。すなわち、外にむけて開放するポートは8080でも、そのポートに外からアクセスが来たらローカルのPCの80番にアクセスするようにするといったことができます。(ルーターによっては同じ番号しかできないこともあるので注意)

また、クライアント側でも、例えばWindowsでは

> netsh interface portproxy add v4tov4 listenport=80 listenaddr=0.0.0.0 connectport=8080 connectaddress=example.com

みたいにすればそのPCの80番にアクセスしたときにexample.comの8080番にアクセスしたことになるみたいなのができるようです。ただしこれは全ての場合にちゃんと動くかはわかりません。自分でもあまりわかっていないので詳しくは他サイトをご参照ください。

他にはTCPだったらSSHのポートフォワードなども考えられます(UDPは非対応)。

使っているポート番号が非公開・ランダムだったり、大量のポートの開放が必要だったりするとどうしようもありません。PPPoEを併用しましょう。

あと、補足ですがWindowsでポート開放が確認できないときは、接続しているネットワークが「パブリック ネットワーク」になっているせいだったという場合が結構多いので気を付けてください。

記録: ドコモ光のプロバイダの変更手続き

最初のほうで述べたように、自分はドコモ光のプロバイダをhi-hoから「OCNインターネット」に変更する手続きを取りました。

プロバイダ変更の手続きはドコモショップでしかできないと書いてあることもありますが、自分が見たとき(2023/09)はWeb上に申し込みフォームが出来ていたので、おそらくごく最近Web申し込みに対応したのではないかと思います。しかしこの記事に書いたことも含め色々疑問点があったので自分はドコモショップに行きました(9月末)。どちらにしても契約事務手数料3,000(税別)がかかります。

ドコモショップでは切り替え日をいつにするかと聞かれて、12日後くらいの日付を提示された気がするので適当にOKしたかと思います。ただ、新しいプロバイダ(OCNイ)の契約に関する書類はそれより前のタイミングで届くと思う、と言われました。

実際に申し込んでからちょうど1週間後には家に契約書的なものが届き、そこにPPPoEアカウントが記載されていました。また、「サービス開始の予定時期」は「ドコモ光のご利用開始日に準じます」と書いてありましたが、今回はドコモ光の中でのプロバイダ変更であってドコモ光自体はずっと使っているのでよく意味が分かりません。ならもう使えるのかということでPPPoEアカウントを入力してみたら普通につながりました。このタイミングではhi-hoとOCNのPPPoEアカウントが両方使えていたということになります。なお、この10日後くらいにもう一度hi-hoのアカウントがつながるか試してみたら、まだつながりました。ある程度余裕を持って設定しているようです。結局、PPPoEに関しては、その「切り替え日」のタイミングでは何も起こりませんでした(何かが送られてくることも、何かが使えるようになることも、何かが使えなくなることもなかった)。

ただ、IPoEの開通確認(及びPPPoEとの併用確認)については何日か後になってしまいました。最初から使えていたのかもしれませんが、切り替え日のタイミングでIPoEが通るようになったという可能性もあります(IPoE認証の仕組みを考えてもこれは割とありそう)。ちゃんと確認すべきでしたね…

なお、この記事ではIPoEに関してかなり多く書きましたが、PPPoE同士で比べてもhi-hoからOCNインターネットへの移行で劇的な改善が見られました。どちらも昼間はパケットロス0-1%、ping10ms程度で十分快適ですが、hi-hoでは21時台になるとパケットロスが6-8%、pingが50-60msくらいになるのに対し、OCNイではpingが15-20msくらいになりますがそれほど変わらず快適に使えていました。

あと、hi-hoの退会についてですが、ドコモショップに行く直前に電話したところ、ショップで切り替え手続きをしたら数日後にはドコモ側から切り替えの連絡がhi-hoに入るので、その後のタイミングで10月末までにまた改めて連絡してくれれば追加の請求なく退会できるとのことでした。これも後日問題なくできました。

記録: HGWの交換及びひかり電話のタイプ変更

前述の通り、自分の家にはRT-200NEが設置されていましたが、IPoEとPPPoEを併用しやすくするためには新しい機種に変更が必要でした。

まず、プロバイダを変更する前に、実は自分のRT-200NEについてはDHCP不定期に機能しなくなるという不具合があったのでそれを口実に新しいものに交換できないかと問い合わせました。しかし、113番の故障担当の窓口でオペレーターにつながらず、向こうからの電話を待つ予約を入れるくらいしかできなかったためこの日はとりあえず諦めました。

次に、プロバイダ変更の申し込みを終えた後、OCNインターネットからの契約書が届くより前くらいのタイミングでまた113に電話しました。ただしこんどは交換の理由としてはIPoEを使えるサービスに乗り換えるからということをメインで説明し、最後に補足としてDHCPの不具合について説明しました。

すると、「故障でなく機能不足での交換なので別の窓口につなぐ」「故障扱いでの交換だと同じ機器との取り換えになることがあるので、新機種が必要ならそのように手続きしたほうがいい」とのことだったので従いました。なるほど(それにしてもRT-200NEの故障でRT-200NEをもう一度送ってくるんだとしたら面白すぎる…)。ちなみにこの「別の窓口」というのは15715番でつながるものと同じだったようです(電話の最後に確認しました)。

で、その15715番のほうで、RT-200NEだとIPoEが使えないので交換したいと言ったところ、契約状況を確認してもらった上で「今はプロバイダ変更の手続きが入っているので交換手続きができない。そちらが完了してからにしてほしい」「お客様の機種(RT-200NEのこと)であれば無償交換になるはず。ただ、新しい機種を送付する形で済めば無料だが、こちらのシステムの判定でどうしても作業員を派遣して工事を行う必要があるとなった場合は派遣手数料6,600円がかかる」と言われました。なるほどなるほど。急ぎすぎだったようですが、交換は無料でやってもらえる可能性が高そうです。とりあえずその日はそれ以上なにもできないので終わり。

そして、プロバイダ変更が完了してIPoEとPPPoEの併用テストも終わって落ち着いたタイミング(正確にはOCNインターネットの契約書が送られてきた9日後)で、改めてまた電話しました(今度は直接15715番に)。IPoEに対応したものに変えたいと言って、現在の機種名すら伝えていなかったのですが、無償交換するので最短だと5日後に新機種及び旧機種の返却キットを送り、6日後に切り替えという形になると言われたので、それをお願いしました。無事、工事が必要という事態になることは避けられました。切り替え日は0:00で切り替わるのかと聞いたら、9:00-12:00くらいに切り替わるとのことで、よくわかりませんがまあとりあえず大丈夫だろうということで、それ以上は聞きませんでした。切り替えより前に接続したらどうなのか聞いたら、使えないと言われたような気がします。機種が何になるか聞いたら、たぶんRT-500かRX-600になる的なことを言われました。また、このときに「ホームゲートウェイでの利用にはフレッツ・ジョイントというものが必要で、それが使えない場合もあるようだが、大丈夫なのか」的なことを聞いたら、「こちら側で手続きを行う」的なことを言われたので、これも完全には腑に落ちていませんが、とりあえず大丈夫だろうということにして電話を終えました。

で、少し時系列が戻るのですが、この電話をする直前、0120-116-116に電話してひかり電話のタイプ1/タイプ2を確認しようとしました。しかし、固定電話の番号を伝えたら、「そのような契約が確認できなかったので、プロバイダと契約している場合はそちらに連絡してほしい」と言われました。この時にようやく、光コラボの場合は0120-116-116に電話するのは間違いだということを知りました。

それでさっきの機種交換の電話を終えた後、やはり自分の契約がタイプ1なのかタイプ2なのかは気になるので今度はドコモ光の151番に電話し、タイプはどちらなのかと聞いたら、「現在、タイプ1からタイプ2への変更手続きが入っている状態になっている」という返答でした。つまり、さっきの機種交換の申し込みによってタイプ2への変更手続きがとられたものと推測できます。正確にどの手続きによってトリガーされたものなのかまでは聞きそびれてしまいましたが、プロバイダ移行手続きをしたのはしばらく前であり、OCNインターネットのサービスも9日前から使えていたことを考えれば、おそらくそういうことでしょう。つまり、ひかり電話(ドコモ光電話)がタイプ1である状態でIPv4 over IPv6対応のHGWへの交換を申し込んだため、その利用開始には物理的な機種交換とあわせて(フレッツ・ジョイントのために)ひかり電話のタイプ変更が必要とドコモ光側が認識し、NTT東日本に対してタイプ2への変更を依頼する手続きを行ったものと推測することができます。一応、電話でも「これはドコモ光の側からNTT東日本に対してタイプ変更を依頼したという理解でいいか」と聞いたらそんな感じかと思われますという答えが返ってきました。

この電話により、自分のひかり電話の契約はタイプ1で、おそらくOCNインターネットへのプロバイダ移行後もそのままだったこと、その状態でもOCNバーチャルコネクトが使えていたことが明らかになりました。

NTT東のひかり電話を間接的に提供している他の光コラボでも、v6プラスやHGW利用でのIPv4 over IPv6などタイプ2が必要なサービスを申し込んだ場合は、プロバイダ側が代行してタイプの変更を申し込んでくれるのかなと思いますが、これに関する情報はほとんど見つかりません(プロバイダ側がわざわざ利用者側に伝える必要がないので書いておらず、実際にそれでうまく行っているので利用者側の話としても出てこないということかもしれません)(ただ、似たような状況の「フレッツ・v6オプション」に関しては割と書いてあるのですが…)。しかし「v6プラス」の手続きをしたい (お客さまIDが「COP」で始まり、2014 年 9 月以前にひかり電話の契約をしている場合) | 会員サポート | So-netのように、明示的にプロバイダ側へのタイプ変更の連絡が必要そうなケースもあります。

で、5日後になって新HGWのRX-600KI及び旧機種の返却キットが届きました。最新型なのでラッキーです。返却キットはただの紙袋で、返送用の配達依頼書みたいなのもついています。RT-200NE本体と電源アダプタと緑色のLANケーブルを返せば良さそうです。

RX-600KIのほうは取扱説明書の一式がついていました。しかし、今回の切り替えに際しての設定方法の案内などは一切ありませんでした。とりあえず、PCとケーブルで直接つないで管理パスワードなどの最初の設定を終えます。で、フレッツ・ジョイントを受けるためにはPPPoE接続をしておくと良さそうなので、IPoEルーターの下にぶら下げていたPPPoEルーターを外し、かわりにHGWをPPPoEで接続しました。同じLANには入れていません(経過措置なのでループなどの面倒ごとを避けたかった)。この時点でHGWにはPPPoEに関する設定が全て残っていて、RT-200NEとはあまり変わらない感じです。ただし、フレッツ・ジョイントのhttp://192.168.1.1:8888/t/が見れるようになっていました。中身は何も配信されておらず空っぽです。あと違うのはIPv6 PPPoEの項目が増えたくらい。この状態でフレッツ・ジョイントが来るかなと一応待ちましたがその日は結局何も起こらなかったので、まあ切り替え日は明日だしということで寝ました。後述しますが、このPPPoEが使えているタイミングで「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」を「高度」にするのをやっておくと若干手間が減ります。

翌日、言及のあった9:00を30分ほど過ぎてもいっこうに接続状態が変わらないので、やや拙速ですがまず15715に電話して、IPoE対応のHGWに変えたがフレッツ・ジョイントが来ていない(要約)と伝えました。しかし、工事に関する手続きの窓口なので技術的なことはちょっと…と言われて、プロバイダ側とか、0120-825-360に電話してくれと言われました。しかし後者は調べたら有料だったので、プロバイダの「OCNテクニカルサポート」に電話しました。

ここのサポートはテクニカルと銘打っているだけあってかなり話が通じる感じでした。配線についての説明を終えたら、新しいHGWの利用登録が終わっていないっぽいのでそれをする必要があると言われ、さらにNTT東西どちらか聞かれ、東と答えたらひかり電話がタイプが1か2かわかるか?と聞かれたのでHGW交換の直後に電話したときに1→2に変更中と言われたと答えました。回線ID(COP********)なども聞かれました。諸々確認してもらったようで、おそらくタイプ2であることも確認できたのか、「これから登録をしておくので、20-30分くらい経ったら設定が変わっているか確認してくれ」と言われて電話が終わりました。

その後HGWを眺めていたら、電話が終わった30秒後くらいに、目の前でPPPoEランプが消灯しました(11:30頃)。PCから確認すると、めでたくPPPoEに関する設定が消滅しており、192.168.1.1:8888/t/を見るとOCNインターネット関連のソフトウェアの項目(調べればでてきます)が出現していました。バージョンは4.0.3で、ポート開放の設定もありました。

一応、15715の担当者が言及していた切り替え時間帯が終わる12:00より前だったとはいえ、このOCNへの電話によってはじめてフレッツ・ジョイントの配信が有効化した可能性がかなり高いので、15715でのHGW交換に伴う切り替え対応が十分だったかは大いに疑問が残ります。とはいえ無事にフレッツ・ジョイントを受けられたわけなので、これでひかり電話のタイプ2への変更も完了したことが確実になりました。

このタイミングで、「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」が無いことに気付きました。動揺したものの、モデム直下につないでいないのでひかり電話契約が無い扱いになっていて表示されないという可能性に思い至りました。すぐにモデムにつないでもよいのですが、「高度」にした状態でつなぎたかったので、一旦OCNバーチャルコネクトを無効にしてPPPoE接続ができる状態にして「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」を復活させ、「高度」に設定し、もう一度OCNバーチャルコネクトを有効化しました。

そしてVDSLモデム直下に接続し、電話線も含めて完全に接続を切り替えました。このタイミングでRT-200NEは引退ということになりました。PCから確認すると、ちゃんと「IPv6パケットフィルタ設定(IPoE)」が復活しており、「高度」になっていました。一旦外していたPPPoE用ルーターを再びLANに入れ、これにてプロバイダ移行作業は完了しました。

結論

ドコモ光を使っているならOCNインターネットはタイプAで月額利用料が安いのにIPoEとPPPoEが併用できるしPPPoEの質もまあまあなのでオススメです。

あとPPPoEルーターをHUBから下げてLANに入れる配線もオススメです。